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風月無尽の無何有の郷

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2016/6/1 松風亭 雅山

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森と湖の国フィンランドは、浪漫と幻想を強く漂わせる国の一つです。


全てが白で、完璧に無垢に洗われた純白の冬も(過酷ながら、過酷だからこそ))言葉を失うほど美しいですが、


この時季の初夏の馨るような森と湖の清々しさ、初々しさも素晴らしいです。


国旗の白地に青十字が、雪の白、湖の青を象徴しているとの由ですので、尤もな事であります。


正式名称の Suomen tasavalta の通称スオミの suo も、確か、湖沼を表していると聞いたことがありますので、これも、とても頷けます。


言語は、ウラル語族に属し、とても興趣が掻き立てられますが、何度訪れても、習得は遥か彼方の感があります。


カレリアは、フィンランドの南東部からロシアの北西部に広がりますが、森林と湖沼に溢れ、フィンランド人の精神の故郷であります。


民族的・国民的叙事詩のカレワラも、この地方の伝承、歌謡に由っておりますが、浪漫は、汲めども酌めども尽きません。


フィンランドの南西部のトゥルクは、フィンランド最古の都市ですが、歴史の重みも含め、美しさは譬えようもありません。


ビジネスライクには、北極圏に近い美しき北部の中心都市オウルに行くことが多かったですが、4月末でも、深夜は氷点下で、


午前の商談も、軒から氷柱を見ながら、ホットコーヒーと大きく温かいデザートでといった感じでした。


昼に打合せを執り終え、ヘルシンキまで1時間のフライトで、ヘルシンキで乗り換えて、パリやデュッセルドルフに夕方前に着くと、


そこには、カフェで、半袖姿で、冷えたビールやワインを飲む多くの人々が見え、短時間のフライトで、北欧と西欧の気候の差を垣間見ることが出来、興趣が尽きませんでした。


私も、自身を解凍する気分で、ホテルの部屋に荷物を投げ入れて、シャワーを浴びて、即、街に繰り出して、


パートナー達と最高の料理に舌鼓を打ちながら、冷えた盃を明け方まで干し続けた事を鮮明に記憶しております。


何かの縁か、(特にフィンランド人の入り組んだ混血に纏わる浪漫は枚挙に暇がありませんが)北欧独特の佇まいの透けるような金髪と

(メラニン色素が少な過ぎるせいか?)少しシミ・ソバカスが目立つ北欧美女スチュワーデスが往きと帰りのフライトで同じ女性であることが多く、

とても話が弾んだのも佳き想い出で御座ります。




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