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風月無尽の無何有の郷

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2013/4/4 松風亭 雅山

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清明(清浄明潔)の名の如くに、万物が清々しく明るく美しき頃となりました。


中国の清明節では、日本の御盆のように、祖先の御墓にお参りするようです。草むしりをして御墓を御掃除する日でもありますので、掃墓節とも言われるらしいです。 沖縄でも、清明節では、祖先の御墓にお参りし、墓前に座って、時間を掛けて、祖先を偲びながら、ピクニックのように飲食をしますと現地の方から聞き及んだことがあります。 また、春を迎えて、郊外を散策する日でもありますので、踏青節とも言われるらしいです。


四月は夜も、浪漫に溢れて、素敵です。 ここで、横山大観の絵を思い浮かべての拙い句を一つ



篝火に 夜桜揺れて 君揺れて 胸に溶け込む 甘き春の香



甘い春の香りの中、微かに揺れる篝火に舞う艶やかな夜桜や朧月夜を眺めていますと、・・・浪漫は尽きませんが、・・・ショパンが思い浮かびます、・・・


ショパンのピアノコンチェルト第一番ホ短調Op.11の第二楽章のラルゲットは、ロマンツェと題されております。 ここを友人に、『美しい春の朧月夜を想像しながら書いた。半ば、ロマンティックな思いで、そして、半ば、憂鬱な気分に閉ざされて・・・』と知らせています。 ピアノは、個人的には、アルゲリッチが大好きで、最高です。次から次へと湧き上がってくるような情熱の滾りとやるせない浪漫の香りをこれほどまでに感じさせるピアニストが 他にいるだろうかとよく評されております。


文学的・詩的・音楽的な時空から宇宙論的な時空へと思いは、夜空を翔けます、・・・


脳の並列処理の為せる業でしょうか。


明確に認識したのは小5の夏の夜更けからでしょうか、アルゲリッチのピアノが大好きですが、ストリングスの調べも素敵です。 そして、弦から、思いは、5つの超弦理論を統合するとされるウィッテンのM理論に辿り着きます。 ブライアン・グリーンは、優雅なる宇宙の中で、超弦理論が5つあるように見えたのは、同じものを5通りの方法で見ていただけでしたとエレガントに言及しております。


1968年に、ガブリエーレ・ヴェネツィアーノが、200年以上前のオイラーの関数が強い力の説明に使えると考えたのが、ひも理論の始まりのきっかけと言われております。


ここで、数学は物理(科学)の揺り籠(容れ物)かと思いを巡らします、・・・


リーマンは、1826年の生誕で、アインシュタインは、1879年の生誕ですが、 マルセル・グロスマンの勧めで、アインシュタインは、リーマン幾何学を一般相対論の発展に上手く活用しました。 リーマン幾何学が、美しく優雅な理論に大いに寄与致しました。まるで、愛くるしい幼子を優しく包む揺り籠のようです。


(因みに、アインシュタインは、マクスウェルが死んだ年に生まれ、ニュートンは、ガリレオが死んだ年(1642年)に生まれております。)


そして、これに近い話では、 ブールが1815年に生誕し(ニュートンと同様に、イングランド東海岸のリンカーンシャー(州)で(ニュートンは郊外の寒村で、ブールは、州都のリンカンで))、 シャノンが1916年に生誕しております。 そして、1937年のMITでの修士論文で、シャノンは、ブール代数が電気回路で扱えることを示しました。 やはり、数学があってのコンピューターサイエンスでしょうか。


何れ新たなブールが、Beyond Boolean Algebra を創り、 そして新たなシャノンが、新たな数学を操りながら、・・・颯爽と登場して世界を変えることを祈ります。


出来ますればTOPS若手の金の卵から、新たなブールやシャノンが出て参ります事を・・・ 四月の浪漫溢れます素敵な夜空に祈ります。



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