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風月無尽の無何有の郷

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2014/9/1 松風亭 雅山

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季節は、心待ちの清々しい秋に入りました。


杜甫の『登高』の詩の如く、高台に登って、杜甫に代わって菊酒を飲み、長寿を祝いたいものです。


  風急天高猿嘯哀  風急に天高くして猿嘯くこと哀し


  渚清沙白鳥飛回  渚清く沙白くして鳥飛び回る


  無邊落木蕭蕭下  無邊の落木蕭蕭として下り


  不盡長江袞袞來  不盡の長江袞袞として來る


  萬里悲秋常作客  萬里悲秋常に客と作(な)り


  百年多病獨登臺  百年多病獨り臺に登る


  艱難苦恨繁霜鬢  艱難苦(はなは)だ恨む繁霜の鬢


  潦倒新停濁酒杯  潦倒新たに停む濁酒の杯


”以前(2013年11月)” にも少しふれましたが、帝王が、即位を天と地に報告し、天に感謝し(封の儀式)、地に感謝し(禅の儀式)、


天下の泰平を願ったとされる封禅(ほうぜん)の祭祀にも、地下水脈で繋がっているとも言われております。


神秘と浪漫が漂います。


飲めなくなってしまった杜甫の分まで存分に菊酒を味わいながら、これから、じっくりと今年も秋の想いに浸りたく存じます。

佳節、美しい日本の秋の満喫で御座います。



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