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風月無尽の無何有の郷

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2013/12/1 松風亭 雅山

<<< 冬の山里、雁、・・・ >>>


本年も、徐々に、冬の風情が出て参りました。


次の歌は、新古今集 雑中 西行法師の歌ですが、修練を経た人のみが歌い得る境地かと存じます。だからこそ、尚更、人間的な温か味があるのかと、・・・


たれ住みて あはれ知るらむ 山里の 雨降りすさむ 夕暮の空


冬の山里の歌が続きます。


山里は 冬ぞ淋しさ 優りける 人めも草も かれぬと思へば


古今集 冬 源宇于(三十六歌仙の一人)の歌ですが、正に、今頃の山里の風情で御座りましょうか。


また、晩秋のイメージではありますが、この時期も雁を想います。


好きな詩歌を一つ・・・


霜満軍営秋気清 数行過雁月三更


越山併得能州景 遮莫家郷懐遠征


謙信が隣国での出陣に従っている際の作ですが、夜更けの月光の中に列を作って雁が飛ぶ様が目に映ります。


雁の枕詞が「遠つ人」であるのも、郷愁を誘います。


最後に、TOPSへのエールも籠めまして、駄作を記します。


夜もすがら 寒風荒ぶ 深山にて 冴えかえ渡る 月下の剣


飛翔於仙郷   仙郷に飛翔す


幽谷深沐浴   幽谷深く沐浴し

遂至神仙郷   遂に神仙郷に至る

吸露乗雲気   露を吸い、雲気に乗じ

御龍駆天空   龍を御して、天空に駆ける


リーディング・エッジTOPSコアの切っ先の鋭さが永久に(とわに)続きますことを祈ります!



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