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風月無尽の無何有の郷

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2013/6/1 松風亭 雅山

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ロンドンには30年以上前から何回も行っていましたが、半世紀近く前に手にしたガイドブックに痺れた思い出から、丁度、25年前の6月に、 パリ、アテネを仕事で往復した後、北の都エディンバラに初めて降り立つことにしました。 その古いガイドブックには、確か、こんな記述が、・・・


プリンセスストリートから谷越しに見渡すロイヤルマイルの家並みのシルエットが右端のエディンバラ城に連なる風景は、 思わず息を飲むほど重圧感を漂わす夢幻世界だ。 ここを初めて見た時の一瞬の感動は生涯忘れられない。 ・・・エディンバラ城は、メアリー女王の悲劇の物語をはじめとしてスコットランドの悠久の歴史の証人として、いかめしく、冷厳に、幻想的に、人々を迎えてくれる。・・・



そして、愈々、エディンバラ城に隣接する最高級ホテルのカレドニアンホテル、その中でもキャッスルサイドに、 さらにキャッスルサイドの中でも城を全望できる絶景の部屋に滞在することに相成りました。 メアリー女王と一体になった気分で御座います。



メアリー女王が、城よりも多く滞在し、数々の悲運・悲劇の舞台ともなったホリールード(聖なる十字架が原意)宮殿に立ち寄ってから、チェックインしましたが、既にもう、 ガイドブックからの想像を遥かに上回りますエジンバラの圧倒的な夢幻的迫力・凄さに、全身打ちのめされておりました。


オランダと同様に、幼少期より、常に、スコットランドに魅了されておりましたが、この滞在で、オランダとスコットランドが交叉しました。 滞在二日目に、城からと同様に、フォース湾の眺めも素晴らしいカールトンヒルで、ユーロ88でオランダが優勝した瞬間を物売りのブースのラジオからキャッチしたのでした。 1988年6月25日(土)の事でした。


翌日の日曜日は、知り合った美女と一緒に、素晴らしいローモンドとロマンティックなトロサック地方(カトリーン湖(スコットの湖上の美人の世界)他、・・・)へ旅に出ました。 オランダ優勝の余韻に浸りながら・ファンバステンの伝説的・超絶的な角度の無いところからの長距離ボレーシュートでの2点目を反芻しながら、・・・ メアリー女王が生まれましたリンリスゴー宮殿やメアリー女王の戴冠、息子ジェームス6世の洗礼に使いましたスターリング城などに震える浪漫を覚えました。 スターリングも、圧倒的・重圧的な夢幻感漂います古都です。メアリー女王の父王ジェームス5世が、城の大半を築いたと聞き及びました。


さて、ゴルフの起源は、確か、オランダの Kolven からで、また、スコットランドと交叉します。 女の子に見紛う美少年がクラブをボールの横に置いてある絵、クラブとボールを持っている絵もあります、・・・ 英国大使主催の晩餐会の帰りに、大使側近から頂いた綺麗な本に、書いてあったくらいですので、 聖地は、セントアンドリュースであることは間違いないでしょうが、起源はオランダという方々が多いです。 フェアウェイも安全な航海路というのが原義です。


オランダでゴルフの流行が始まったのが1200年代で、セントアンドリュースに教会が出来て交易の拠点として栄え出したのが12〜13世紀頃で、 しかも交易の中心はオランダで、・・・多くの人々が行き来しておりました。 更に、オランダとスコットランドの間の浅瀬(ドッガーバンク)が、実は、大昔は、なんと陸地(ドッガーランド)でした。 何と壮大な歴史的・地理的浪漫でしょうか! Doggerland の Doggeは、古いオランダ語で釣り舟の意味です。



そして、悲劇のメアリー女王も、息子のジェームス6世もゴルフ狂でした。 メアリー女王が、最初の結婚でフランスに嫁いだ際に連れて行った沢山の若い士官候補生達Cadetsが、ゴルフの際は、クラブを運ぶのを手伝ったので、 それが、キャディーの語源になったそうです、・・・ メアリー女王こそ、世界最初の女性ゴルファーとも言われております。
また、息子ジェームス6世(イングランド王としてはジェームス1世)は、イングランド王も兼ねてロンドンに宮殿を移す際もゴルフ仲間も一緒に連れて行ったとの由で御座います。


最後に、大好きな宇宙論に関しては、人類史上初めて力を統一したマクスウェル、物質に質量を与える(見付かりかけております)ヒッグス粒子のヒッグスも、 エディンバラ大学出身で、嬉しい限りで御座います。 また、通信の世界では、かの電話のベルも、エディンバラ大学出身であります。


エディンバラに感動し、「冷たい雨が歴史の重みを背負ってプリンセスストリートに染み込む・・・」という書き出しで始まります エディンバラの愛という題の拙い詩を書いた事も懐かしい思い出であります。



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