SMYLEvideo

SMYLEvideoは、SMYLE(Scalable ManYcore for Low Energy computing)プロジェクト（独立行政法人新エネルギー・産業技術総合開発機構-NEDO-の委託を受けた「極低電力回路・システム技術開発（グリーンITプロジェクト）、低消費電力メニーコア用アーキテクチャとコンパイラ技術」の研究開発）の成果の一つです。SMYLEvideoは、要求処理能力が1TOPS以上と高く、既存のマルチプロセッサでは実現困難なビデオマイニング向け「ドメイン・スペシフィック」なメニーコアプロセッサです。

SMYLEvideoの応用領域例：車載

SMYLEvideoの応用領域例：医療

SMYLEvideoは、異なる複数のプロセッサコアを集めたクラスタをさらに複数集めた全体構造を持つヘテロジニアス・メニー・コアプロセッサのアーキテクチャです。要求性能とコスト要求に応じて、クラスタ数やコア数を自在に組み合わせて構成できるＩＰ（知的所有権）製品です。

1.       ビデオ画像に潜在する並列性を引き出す

• ビデオ画像、静止画などに潜在する並列性は処理全体の99%といわれています。通常、データ並列性（画像を部分毎に切り分けて処理することなど）などばかりが注目されますが、プロセス並列性（処理の各ステップを同時並列的に行えること）も考えることで、並列性を極限まで引き出すことが可能となります。SMYLEvideoは、このようなデータ、プロセスの両並列性を引き出せるプロセッサアーキテクチャです。

2.       プロセッサ間通信のオーバヘッドの極小化

• マルチコアは当然、メニーコアともなると、多数のプロセッサ間での通信や同期などのオーバヘッドが多いに気になるもの。SMYLEvideoは、トプスシステムズの特許技術、ゼロオーバヘッド通信をフルに実装。ハードウエアがささえる同期機構により、ソフトウエア上の難しい処理抜きに最小限、ほとんどオーバヘッドの無い通信と同期を実現しています。

3.       異なる（ヘテロジニアス）なプロセッサにより異なる処理を超低消費電力で実現

• 画像認識やビデオマイニングでは、フィルタ処理などの全画面一律に処理する工程と、特徴点毎の処理のような１点、１点別々の処理が必要な工程が混在することが普通です。SMYLEvideoでは、異なる種類のプロセッサコアを組み合わせることで処理の最適化を実現。フィルタ処理などには、２５６ビット幅のSIMD演算可能、かつ最大２５６本ものレジスタファイルをもつワイドなコアを、逐次処理の必要な部分には、６４ビット幅のSIMDコアを適用。また、それぞれの処理に適した複合演算命令を多数持たせることで、低い動作周波数、超低消費電力で非常に高い性能を実現しています。

SMYLEvideoは以下のようなお客様に適したプロセッサシステムIPです。

＜応用分野＞

• 自動運転、先進運転システム（ADAS）など動画像を実時間で認識し、高度なアルゴリズム処理を行わなければならない車載アプリケーションシステム。
• 医師の診断を補助するために、大量の医療画像を処理し、必要な画像を見やすく表示するような医療アプリケーション
• 高速な画像処理と超低消費電力の両立が必要なスマートフォン、デジカメ、ウエアラブル機器などの情報機器

＜SMYLEvideoを使うメリット＞

• コア数可変、クラスタ数可変のアーキテクチャによりスケーラブルに所望の性能が得られます。
• プロセッサなのでソフトウエアの改変で新規アルゴリズムへの対応も可能。ハードウエアアクセラレータよりもフレキシブルです。
• 低クロック周波数で高い性能を実現できるので枯れた半導体プロセスでも、あるいはＦＰＧＡ上にも実装可能です。
• メニーコアに特化した専用開発ツールにより、メニーコアプログラミングをサポートします。
• 御要求に応じてアプリケーション開発用のライブラリＡＰＩを御提供、汎用ホストＣＰＵからはＡＰＩを呼び出すことでの利用も可能です。
• トプスシステムズでは、本IP応用設計のコンサルティング、受託開発、トプスシステムズ子会社のクールソフトでは応用ソフトウエアの受託開発も行っており、ユーザ様の開発をフルサポートいたします。

SMYLEvideoプラットフォームの構成を図に示します。

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